COLUMN

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2021.10.28

マーガレットハウエルさんの服作り

もう何年もダッフルコートを探してます。今までダッフルコートといえばのG社だったりトラッドの雄B社、無名のビンテージやミリタリーものなど何度も目にする機会はあったのですが購入には至らずで気付けば未だに手に入れることができなかったアイテムの1つでもあります。それが、この度自分なりにしっくりくる物と出会いました。そうです、画像を見てお察しかと思いますが 1980年代〜1990年代頃のMargaret Howell (マーガレットハウエル) のダッフルコートです。こちらのブランドといえば最近はMHLなどのラインも加わり、大きな商業施設にも入っていることが多いのでもはや知らない方はそうそういないのではないでしょうか。ですがその原点やハウエルさんがどんな人なのか?というところまで知っているという方はそう多くはないと思うので、僕なりに解説していきたいと思います。

Margaret Howellは1946年イングランド生まれの女性デザイナーで学生時代にジュエリーの勉強をしていました。同世代にはポールスミス・ANATOMICAのピエールフルニエ・少し上の世代にラルフローレンや高田賢三といった感じです。そんな彼女はある日フリーマーケットで1920年代の1着のシャツと出会います。そのシャツはハウエルさんが考える理想のシャツそのものでした。このシャツのようなハイクオリティの洋服をもっと多くの方に着てもらいたいという思いから洋服作りが始まったそうです。その当時のシャツといえば英国紳士が仕立てたジャケットの中に着るドレスシャツので体にピッタリとフィットし、綺麗にプレスされたものが主流でしたが、ハウエルさんが作ったシャツは洗いざらしでしかもゆったりとしたシャツだったそうです。すなわち日常着としてのカジュアルシャツの先駆け的1着を世に生み出したわけです。そのシャツは後にUK版ヴォーグに取り上げられ、一躍有名になりました。フォーマルからファッションへと変貌を遂げたというか、歴史の歯車が回り始めたとでもいいましょうか、なんとも心に響く素晴らしいストーリーだと思います!

 

また、ハウエルさんは、1970年代に男性用の洋服は機能的で女性が着ても心地よいと考えていたそうで、 その為自身の服のデザインにも機能や着心地の良さを重視し、それがブランドコンセプトにも繋がっていると言います。実際にマーガレットハウエルの洋服を ”仕事着” にしている方も多かったそうで、「洋服に着くポケット1つをとっても目的がありデザインしている」そんなところを見て欲しいと語っていたそうです。確かにマーガレットハウエルの洋服といえば機能的なミリタリーやワークウェア、そして英国のトラッドを自身の解釈によって組み合わせたという印象です。僕もそんなコンセプトや考え方に常々感心してしまうばかりでして、そう多くは所有していませんが長く好きなブランドの一つなのです。

そうなるとそんな彼女が作るダッフルコートとはどんなものか?という興味が湧くわけで、色々なディーラーさんにお願いして集めてもらいました。やはり期待は裏切らず。クオリティが良いだけではなく、しっかりと伝統的な部分と彼女なりのアップデートを感じるダッフルコートだったのでした。

コートに関しての細かな解説などはonline shop にてご覧いただければと思います。
とにかく、僕が伝えたかったのは洋服は作り手の思想が詰まったものであり表現方法の1つ。深く深く考え抜いて作られた1着は長く使いたくなる理由が有る。と感じるのでした。 岩谷

 

 ※Margaret Howell / Duffle Coat


Old Margaret Howell Duffle Coat (Mens / L相当)
→https://minghokkaido.thebase.in/items/54105259

 

Old Margaret Howell Duffle Coat(Ladies / M相当)
https://minghokkaido.thebase.in/items/54105300

 

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