COLUMN

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2021.11.15

手仕事の魅力

昨日に引き続きモロッコラグのご紹介です!ラグと言っても世界中に様々なものが存在しますが、はたして僕たち北海道民に最適なラグとは?という部分に焦点を当て行き着いたのが、このモロッコラグという訳です。一見接点がないようにも思える”モロッコと北海道” ですが、このモロッコラグはもともと羊を放牧しながら暮らす遊牧民が、自分たちの冬の生活を乗り越えるためにその家庭の女性たちが丹精込めて織り上げた物。同じくして北海道もその昔、その家々で家畜として羊を飼い、その羊毛をセーターなどの衣類にしていた歴史があります。そこには商業的なものは何もなく、ただただ家族が厳しい冬を乗り越えるの為の道具、として作ったという共通点があります。そうして出来上がったものは、たとえ他人である私たちでもその愛情が伝わってくると思っています。手仕事の魅力とはそういった部分なのではないでしょうか。

こうして生まれた魅力は時を経て、ミッドセンチュリーの巨匠たちの目に留まるようになります。Alvar Aalto、Frank Lloyd Wright、Charles & Ray Eames、etc… 数々のデザイナーたちが自邸や自分たちの作品にこのラグを用い、そこから欧米へと広まったそうです。その移り変わりも面白いと感じますし、やはり手作業の魅力は色褪せないものなのだなと深く感心してしまうのです。

 

今、色々なものがありふれている世の中ですが、だからこそ商業的ではない物の魅力を感じて欲しいと思いますし、ここ北海道という土地にはそもそもの用途として役立つ物だと思います。さらに北海道らしい”暮らしの形”が生まれたら尚素敵ですよね!

モロッコのラグには、”ベニワレン” の他に”アジラル” や “ムーリルト” など様々な地域のものがあるのですが、ベニワレンのようなシンプルな幾何学的な模様のものだけではなくて、こんな風にモチーフが特徴的なものもあります。個人的にはこういうタイプにもすごく惹かれます。モチーフにはそれぞれに意味があって様々な想いが込められていると思うのですが、どういう意味を持っているのかは明確にはわからないけれど、太陽のように見えたり、水だったり木だったり、自然のものから作り出されたのかなと想像してみたり。どういう想いで作ったのだろうとか、色々な物語が想像できるようでとても楽しいのです。

そして目がみっちりと詰まっていて、フカフカで、手をぎゅっと埋めたくなるようなモフモフの手触り。ラグの裏側をめくって見てみると、その作りの細かさ、丁寧さがわかります。

ちなみにこれは、今回入荷した中でも特に古いアジラルのラグ。ウール1本1本の毛が落ち着いて、艶が出て、ぎゅっと目が詰まっています。ふわふわ感はさほどないのですが、長く使われることで艶が出てしっとり滑らかな質感になっていて、写真からもとっても細かで丁寧に織り上げられたことが感じられると思います。Vintageと呼ばれるこの古いアジラルは、新しいものには出せない存在感、空気感。モフモフでふっくらしているベニワレンとはまた違った魅力がこの古いものにはあるんですね。

 

我が家でも数年前にベニワレンを迎え入れてから、本当に買ってよかったと大満足しています。冬はもちろん暖かくて気持ち良いしフカフカなのでゴロンと寝転がるのがまた気持ち良い。意外に夏場に敷いていても暑苦しい感じがしないので、季節関係なく1年中敷いてます。昼間に陽が差すとポカポカして気持ちよくて、ついお昼寝したくなるんですよね。

 

ラグは日々の暮らしでなくてはならないものだと私たち自身思っていて、だからこそ気に入ったものを長く大切に使い続けたい。長く使える上質なものは、やっぱり使っていて心地が良いし、丈夫だから買い替えることもない。暮らしにそういったものがあると日常の何気ないひとときが豊かに感じられる気がしています。

“FOLK EQUIPMENT”
selected by MING folk equipment

 

日時 : 11月19(金)〜11月21(日)
営業時間 : 11:00〜19:00
会場 : MAGAACY
住所 : 札幌市中央区北1条西27丁目2-15 ∴ (ユエニ)ビル1F / B1

 

モロッコのラグやインドのキルト、アフリカの手彫りのスツールや、メキシコ、モロッコの陶器、韓国のカトラリーなど。これからMINGになくてはならないアイテムとして展開していきたいと思っているアイテムですが、今回はその第一弾としてイベントで一斉お披露目したいと思っています。どれも手作業で作られ、中には長い年月を経て現代に残ったものも。短い期間ではありますが、ぜひお立ち寄りいただきたいです。

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