以前よりお話ししていました、私たちMING のオリジナルアイテムの準備がやっと整ってきましたので、少しずつお話ししていきたいと思います。(むしろ、お待たせしすぎて申し訳ございません笑)
「MINGが考える物との付き合い方」
私たちはこれまでに洋服業界に長く携わり、洋服が大好きでそれゆえに大量の洋服を買い続けてきました。あまり流行を意識したファッションをしてきた覚えはないのですが、それでもいつしかクローゼットはパンパンに。買うのと同時に大量の洋服を処分してきたのも事実です。それはなんとも複雑な感情で、違和感があり、次第にその行為に疑問を抱くように。
クローゼットの奥に眠っていた忘れられていた服たち… 結局のところ手に取り着ているものっていつも同じじゃないだろうか? なぜならば1週間は7日しかなく、その7日のうちお気に入りの1着を着られるのはほんの2.3日のはず。大量に洋服を持っていることでなおさらお気に入りの1着の出番は減ってしまって、堪能できずにまた新しい洋服を買ってしまう。実は数えられるだけのワードローブで事は足りてしまうし、満足もできるのではないだろうか?こんなに持っている必要ってあるのだろうか..?
数年後に ”残る物” と ”残らない物” その2種類にはある共通点があるようにも思えます。数年後に”残る物”は作り手の想いに共感し手に入れた物。+α で自分なりのストーリーが加わって、ただの表面的な所有感ではなくてそこに何らかの思い入れがある物。そして時代が変わっても違和感がなく、修理や手入れをすることでさらに長く使い続けていける物。という考えに私たちはたどり着きました。
それを踏まえMINGでは、私たち自身が生活する上で必要だと思える物だけを定番として作り続けていきたい。そして製品の作成を依頼するのは、私達が信頼のおけるパートナーの方達。そして販売して終わりではなく、長く使って頂けるようにアフターケア(修理)にも力を入れていきます。
「アフターケア」
物は消耗品です。使えばいつかは壊れたり無くなってしまう物でもあると考えます。ですがせっかく買った物を大事にしすぎるがあまりなかなか使えない。物にとって、タンスの肥やしになる事ほど不幸な事はないようにも思えます。私たちは、ガシガシと使うことは物を傷めることではなく、その物を存分に堪能する事だと考えます。大事なのはその後、愛着を持ってきちんとケアすることができるか。
例えば、ツギハギされたワークジャケット、金継ぎされた器、クタクタでもたっぷりとオイルを含んだワークブーツ、すり減るまで酷使された道具は美しくオーラがあり、その物本来の姿だと思います。その物が、物としての生涯を全うするまで付き合っていけるか?が大事だと思うんです。
現代では物がありふれているゆえに、物をそこまで使い切ることがない、またはその前に新しいものに買い替えてしまう。そのサイクルが結果、不要な物を増やすことに繋がっていると思います。1つでも愛着のある物を身の回りに置くことで、物を捨てるという選択肢が少なくなると思っています。そしてそれが洋服だけではなく家具や日用品など身の回り全ての物がそういった価値観になれば、物を捨てない環境 が整うのではないかと考えます。これが私たちMINGの理念です。
もうこれ以上不要なものを増やさない作らない。そんな想いからMINGのオリジナルは作られます。
一見矛盾しているようにも聞こえますが、これ1つあれば十分。そう思ってもらえるような物作りを目指します。
お金がないから買えないんじゃない、ボロボロになっても手入れをして大事にしている。
「そのあなたの心が美しいね!!」
そんな言葉で溢れる世の中になることを願っています。
(photograph by @tomo_asano)
最後まで読んでいただきありがとうございます。かなり前書きが長くなりましたが、私たちMINGのオリジナル 第一弾は年明けに “エプロン” をリリースします。次回のコラムでは引き続きオリジナルについてお話ししますので、ご覧いただけると嬉しいです。
そして、今年も残すところあと僅かですね。2021年は私たちにとってお店をオープンした特別な年でした。お客様、お取引先様、友人、家族、携わって力を貸してくれた皆様。人とのつながりがあり私達があるんだなと実感した1年でした。この想いをMINGというお店を通して皆様に還元していくことを使命としこれからも頑張っていきたいと思います。この場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとう御座いました。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
岩谷洸太郎 徳永麻美