COLUMN

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2022.07.10

十場さんの耐熱鍋の活用術

十場さんの作る様々な器の中でも特に特徴的なのが「耐熱」のシリーズ。直火やオーブンにも使えるこの器、まさにスリップウェア本来の使い方ができるところが私たちも好きで日常によく使っています。18世紀から19世紀にかけてイギリスでオーブン皿として使われたこのスリップウェアは、料理が焼けたらそのままテーブルに運んで出来立ての熱々の料理を頬張る。そんな日々の食卓を支えていた”日常の器=スリップウェア”を、当時のように出来立て熱々の料理をそのまま食卓に並べて頬張る時間はなんだかホッと小さな幸せを感じます。

 

器は日々の暮らしに欠かせないもの。器ひとつでその食事の時間も変わる気がします。お気に入りの器で食べる食事、今日はどの器にしよう?どの器に料理を盛ろう?そんなちょっとした時間もお気に入りの器が揃うと楽しいもの。でももちろんそんな日ばかりではなくて、むしろ慌ただしく食事の準備をすることがほとんど。だからこそどんな料理でもどさっと盛るだけで美味しく魅せてくれる器はとても心強くて、さらに調理ができてそのまま食卓に並べることができるなんてとっても便利。十場天伸さんの耐熱シリーズは、小さめサイズのものから深さのあるもの、鍋型や角鉢などサイズや形も様々です。実は我が家は数年前に引っ越して以来 IHキッチンなのですが、この耐熱鍋を使いたいがためにカセットコンロを出しては耐熱鍋を使っています(笑) いつかガスコンロにして買い集めた耐熱鍋(器)をフル稼働させられる日が来たらなぁなんて思いながら、日々楽しく活用しています。

 

さて、この直火で煮炊きやオーブン調理ができる耐熱鍋を十場さん自身どのように日常使いしているのか?そんな素朴な質問を十場さんに投げかけてみました。そうすると煮炊きの他になんと<炒め物>もできるとのこと!器で炒め物!?炒飯や焼き肉もできると聞いてやらずにはいられない!早速我が家でもこの耐熱鍋を使って炒飯を作ってみることにしました。

火をつけたら耐熱鍋に油をひいて、まずは恐る恐る卵を流し入れる。

鍋が温まってくるとみるみる卵が焼けていくのですが、全く焦げ付かないことに驚きました。確かにフライパンと同じように炒めることができそう!あとは普段通りにじゃんじゃん具材を炒めていきます。

こんな感じでしっかり炒飯が出来ました。シンプルなチャーハンも不思議とこの耐熱鍋で作ると特別な一品になった気がして、なんだか美味しさも倍増。確かにフライパンと同じように使えて、じっくりと火が通る気がするし、何より焦げ付かない。出来上がったらこのままテーブルに運んでそれぞれ取り分けて頬張る。いつまでも暖かい状態で食べられるのも嬉しいので、人数が集まる時の食卓にもとても万能に使える感じがしました。

 

これに味を占めて他にも色々試してみます。先程のものより少し小さめの耐熱皿を火にかけて挽肉を炒めます。この器で炒める瞬間はなんだか不思議な感覚ですがワクワクしてきます。

挽肉を炒めて具材と調味料を入れてグツグツ煮立たせれば麻婆豆腐が完成!チャーハンと一緒に出来たてをそのままテーブルにどさっと並べてお昼ご飯。麻婆豆腐も十場さん宅ではよく作るそうなのですが、こうして耐熱皿で炒めたり煮たりするのはとても楽しくて美味しくて、まさに道具としての使い方ですよね。

ある日は庭で採れた春菊と一緒にすき焼きをしたり。

切った野菜を並べてそのままオーブンでグリルにしたり。

ちょっとしたオーブン料理にもピッタリなのです。他にもアヒージョやアクアパッツァ、寒い季節になったらグラタンもいいなぁ。皆様はどう活用したい(している)のかもぜひ教えていただきたいです。

使えば使うほど味わいを増してゆく器。食べ終わった後も思わず見惚れてしまうような器。「美味しかったなぁ〜」と同時に「しかしこのお皿やっぱり素敵だなぁ〜」「買ってよかったなぁ〜」と毎回思ってしまいます。大切に飾っておくだけではなくてまるで道具のようにぜひ日常使いしていたいとだきたいと思います。

 

今回の個展では約400点もの器が並びます!もちろんこの耐熱シリーズもたくさんご覧いただけますよ。ぜひ実際に手に取っていただきたいと思います。個展はいよいよ13日の水曜日からスタートです。どうぞお楽しみに!

【北海道初 “十場天伸” 展】
2022.7.13(wed) – 18(mon)
open 11:00-18:00
札幌市中央区北1条西27丁目2-15 ユエニBLD B1/3F
※初日13日は作家在廊予定です
※MING folk equipmentが入っているビルのB1 galleryスペースと3F実店舗の2カ所での開催です。

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