COLUMN

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2023.02.04

ENGLANDとHOKKAIDOそしてKHAKIについて

MINGのオリジナルアイテムは、核となる生地があります。それがBritish Cotton Twill です。文字通り100%コットンの綾織生地を今でもイギリス本国で織り上げているものです。様々なものがコスト削減のために他国で生産をするようになった昨今、本当の意味でオリジナルと呼べる素材や製品は希少な存在になりました。この生地もその1つであり、イギリスらしいスピリットが宿った素材という部分に僕たちも魅了されています。僕は前職からの流れもあり、やっぱり昔のワークウェアが好きです。中でもイギリスのワークウェアにいつも惹かれてしまうのです。何でだろうな?と考えたことがあったのですが、自分の中で出た結論はイギリスと北海道は緯度がそれほど離れていなく、夏は涼しい、冬はそれなりに寒いという気候で共通している部分がある。よってそこで生活をしている人たちが必要になってくる物や好んで身につける衣類なんかもチョイスする感覚が近いのでは?と考えたのでした。だが、決定的に違うのは文化の深さだと思うのです。イギリスは世界の中心と言っても過言ではなく、長い歴史の中で様々な文化を作ってきた。一方僕たちが住む北海道は北海道と命名されてまだ150年余り。この圧倒的な歴史の違いは色々な差があるように感じていて、だからこそこの地に足をつけて、そこに根ざす物作りをしてイギリスのような文化を少しでも築くことができたら…なんて思うのです。

 

イギリスも北海道も同じくらいの大きさの島で海に囲まれているから漁業は盛んだし、森や川もあり豊かな自然が生活と密接している。環境が似ていれば働く仕事の内容も似てくる、そうなるとやっぱり衣類には同じようなことが求められると思うんです。

話を戻すと、北海道民は似た環境で作られてきたイギリスの衣類が性に合うんじゃないだろうか?という事です。ここ最近それを改めて思ったのが、北海道民のBarbourと革靴の着用率の高さです。東京なんかに比べても圧倒的に多い。これは環境に適したものを皆さん選んでるからなのではないでしょうか?そんな北海道らしいファッションがもっと色濃くなってほしいと思うし、北国特有のスタイルだね!と言われるようになってほしい、、と思うのです。

British Cotton Twill Khaki

話は少々脱線してしまいましたが、そんなイギリスで織られているBritish Cotton Twill は、北海道で暮らす僕達にとても適した生地だと実感している。しっかりと丈夫でありながら、コットン特有の柔らかさもちゃんと兼ね備えている。肌触りが柔らかいのに風も通さない。色々な場面でこの生地でできた製品を着用したけれど、一番感じるのは気兼ねなく使えるという事。例え汚れがついてもガシガシと洗えてしまうので、むしろガンガン汚しながら使ってほしいと思ってしまうほどだ。

 

そうして約2年使い込むとこんな表情になる。

(左:未使用の生地) (右:2年使用した生地)
(左:2年使用した生地) (右:未使用の生地)
生地の表情が増しているのが分かる。

こうして使い込んだ後の雰囲気は、まるでインド駐屯時のイギリス軍のユニフォームのようだ。khaki (カーキ)の語源はヒンドゥー語で”土埃り”という意味だそうで。イギリスという国で作られている事や、その昔インドを植民地とした背景からも、個人的にはこの色味が本当のカーキではないのだろうか?と予想している。当初、生地の経年変化のことについてのコラムを書きたかったのですが、脱線しすぎたのでその変化は写真と店舗にてお確かめください笑

 

結局、その物の背景や、自分なりの思い入れ+αがあるからこそ、クタクタになっても破れても使いたくなるという話でした笑

今後はこの素材のリペアレポートなんかもしていきたいと思います。岩谷

 

※online shop
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