COLUMN

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2023.02.22

Reconstruct by MING / Oiled Cap&Hat Vol.3

機能的でいて長くメンテナンスをしながら使っていけるような、道具としてその人の生活に欠かせない帽子を目指し、MINGの「Oiled Hat」「Oiled Duckbill Cap」が完成しました。今回のオイルド素材のハットとキャップはそれぞれ私たち自身が長く愛用していたvintageを元にして製作。そのvintageはどちらもアウトドアシーンには最適でも、なかなか街着には向かない雰囲気でした。でもオイルド素材の帽子には道具としての素晴らしい魅力があって、いつかMINGでこの帽子を形にしたいと決めていました。では早速！ご紹介していきます。

【Oiled Duckbill Cap】

僕の趣味である釣りやアウトドアの時、キャップをかぶっているのにいつも鼻が日焼けてしまうのが気になっていた。ある時”ツバが長いキャップがないのかな？”と探していると、アメリカのvintageのオイルドダックビルキャップ(カモノハシの嘴のような長いツバのキャップ)に出会った。それからは釣りの時もアウトドアや庭の手入れをする時も、季節を問わずだいたいこのキャップをかぶっていた。このキャップは名前の通りツバが長めで、しっかり日差しを防ぐことができる。さらにちょっとした雨の日もこのキャップがあれば充分。撥水性がなくなってきたら自分でオイルを入れたり、この”手入れをする”というのも気に入っていた部分なのだ。

釣り道具は手入れをすることが必須で、メンテナンスをすることが釣りの楽しみの一つでもある。気がつくとこの帽子もメンテナンスをする道具の一つとなっていた。僕は釣り道具からメンテナンスをする楽しさを学んだと思う。

だけどそのvintageはあまりにもアウトドアな雰囲気で、街では何となくかぶることができなかった。でも手入れをしてまで使いたい(使える)と思える帽子はそう多くはないし、こんなに使い勝手の良い帽子なのだからシーン問わずにいつでもかぶりたいと思うのは自然なことだった。

このキャップの特徴はツバの長さはもちろん、柔らかくて形が作りやすいというのも魅力だ。キャップはツバの芯が硬いものが多いけど、この帽子は芯が柔らかいので頭に馴染ませることができる。キャップだけど形をある程度変えることができるから、いつもキャップがしっくりこないという方でも被りやすいと思う。

サイズはフリーサイズ。男女問わずサイズを調整してかぶることができる。

【Oiled Hat】

私自身今までニット帽やベレー帽、フェルト帽子、それからちょっと変わった面白い帽子やスカーフを巻いたり時にはターバンにハマったりと、いろんな帽子をかぶってきた。でもその中でも、ハットは他の帽子に比べてなんだかハードルが高い感じがしてなかなか手にできずにいた。何か気恥ずかしさもあって、かぶってみてもやっぱり今日はやめとこうと玄関に帽子を置いていったことも何度もある。

数年前にvintageのオイルドハットに出会った。被りたい！と直感で思えるハットに初めて出会えた様な気がして、気恥ずかしさもなくかぶれるハットな気がしたのだ。きっと、オイルド生地特有の無骨な雰囲気だからこそそう思ったのだと思う。それは着飾るためにある帽子ではなくて、きっと雨を防いだり実用性をもって作られた帽子なんだと一目でそう感じたからではないだろうか。

実際にこの帽子はちょっとした雨の日に被ったり、アウトドアには特に欠かせなくて、おしゃれアイテムとしてではなくまさに道具の様に使ってきた。雨や泥に汚れても良いと思えるブランドストーンのワークブーツや、玄関に必ず置いてあるL.L.Beanのモカシン、すぐ乾くジャングルファティーグパンツ(軍パン)なんかと同じ様に。そういう道具のようなものが作りたいという思いで形になったMINGのエプロンも今はその仲間に入っている。

特に気に入っているのはぐるりと縫ったブリムのステッチの感じ。キャップと同じく適度な柔らかさがあるので形も自在に調整ができる。そして使うほどにアタリも出てきて、どんどん凹凸が出てくる感じが格好良いのだ。しっかり日差しも防げて雨も防げる、使うほどに味わいも増して愛着も湧いてくる。少々雑に扱っても問題ないからアウトドアの時には最適だし、もちろんシーンも問わずにかぶることができる。