MINGではオリジナルアイテム、作家さんの作品、アンティーク、など様々な方法で何かしら自分達に響くものをセレクトしているのですが、最近はその物差しにも変化が出てきているような気がしています。それは、ローカリズムを感じられるか?という事。カッコイイし素敵な物は今の時代沢山ある。だからこそ何を選べば良いのか?の判断が曇ってしまう気がするのです。今日ご紹介するカッティングボード(まな板)も言ってしまえばありふれている物の1つかもしれませんが、このカッティングボードには北海道という土地のローカリズムを潜めているのです。
北海道千歳市出身のアンティーク商”ancesta”さんがフランスの蚤の市で出会い持ち帰った2つのカッティングボード。それを同じく千歳市の小西木材店に持ち込み製作していただき、さらに千歳市住まいの私たちMINGが販売をしているという1つの輪が在るのです。
写真に写っている職人さんが3代目の小西康裕さん。物腰が柔らかく気さくなお人柄が素敵な方です。木工作家でもある自身の経験を元に、自らイベントを主催し、ものづくりをしている方をバックアップする活動もしています。作っている人の顔や、その人がどんな人物かを知っている。何かわからないことや気になる事があればすぐに会ってアドバイスをもらうこともできる。だからこそこのカッティングボードを私たちは自信を持っておすすめする事ができる。そして、理想を言うならばお店の全ての商品がそうであるようにしていきたいのです。
札幌のベーカリー栞さんのシュトーレンに我が家で育ったハーブ、自家製レーズンにチーズ、ニニウファームさんの鹿肉に道産ワイン。ふと気づくと自分達が着ている洋服やエプロンも北海道で仕立てた物だなと。何かローカリズムの輪が波紋のように広がっていくイメージが想像できて、なんとも言えない多幸感に満たされた。
わざわざ何処かから持って来なくても身の回りにはこんなに素敵なものがあるんだと最近改めて思うのです。先日遊びに行ったニニウファームの黒井さんの言葉も印象的だった「自分達の周りにはまだまだ知らない世界があると思うんだよね、それを知るのが楽しくてさ」そう聞いて確かにと妙に納得した。足元に咲いている草花の名前は?この足跡はなんて名前の動物?昔の北海道の人たちの生活とは?これまで外にばかり向けていた目線はますます内側に向かっていきそうだ。いつかローカル最強チームが結成された暁には、こんな素晴らしい土地から生まれたプロダクトをグローバルな人にひっそりと紹介するのも悪くないかもしれない。そんなことを考えるとワクワクが止まらなくなり明日からの仕事が楽しみで仕方ないのだ!また話がそれましたが、北海道産広葉樹のフレンチカッティングボードが明日から再販いたします。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
※ローカリズム【localism】とは地方主義・郷土偏愛主義。地域住民の自発的努力によって、政治や文化において各地方の独自性や自立性を高めようとする考え方。