COLUMN

MINGというお店は洋服をメインとしたお店でありながらも、その洋服も日常を楽しむための一つの道具 (民具) というコンセプトがある。それを体現する事の一つが春の山菜採りだ！MINGのワークウェアーが本当に作業服としての機能を果たす事ができるのか？を確認するための大事な大事な春の催しものである笑

春になると抜け落ちる蝦夷鹿の角。何か使い道ないかな〜ボタンとか作れそうだな〜なんて考えながら歩いたり。

まだ雪が残る4月上旬にキハダの実を探しに。キハダの実は北海道では唯一のミカン科の植物。グレープフルーツのような爽やかな柑橘系の香りが北海道では珍しく、はじめて嗅いだときのあの感動は忘れられません。とても高いところに実がなっているので基本的には落ちているものを拾い集めます。

Brick by Brickのシェーカーオーバルボックスに入れたキハダの実。

ふと雪が溶けて地面が出ているところに目を向けると福寿草が咲いてました。春一番に咲く花の１つで艶のある黄色い花がとても綺麗です。冬の間、どんよりとグレイだった世界がこの福寿草によって一気に華やかになり心が癒される瞬間です。

乾燥させたキハダの実をペッパーミルなどに入れて、カルパッチョにしてみました。今回の白身魚は北海道では定番の “ソイ” というアイナメ科の魚で、白身魚らしい淡白な味にオリーブオイルとキハダの香りが際立ちます。我が家では定番の一品です。アンティークのリム皿は色目の淡い料理も綺麗に見せてくれます。

その他、ハイボールにふりかけてみたり…これもスパイシーでなかなかいけるのです。

アズキナとレモンバームはTAJIKAさんの剪定鋏で収穫。

もう少し蕾の頃に採るのがベストなのですが、毎年なかなか丁度良い時に取りに行けず…。大きくなり過ぎているのでAncestaのカッティングボードで丁度良いサイズに切り分けます。

アズキナをアミガサダケと一緒にパスタにしてもらいました。アズキナの由来になっているように、小豆のような甘さがたまりません！！

スプリング・エフェメラルであるエゾエンゴサクもこの時期ならでは。花・茎・塊茎全て食べられます。アイヌの人たちはこの塊茎のことを「トマ（toma）」と呼んで、茹でて干したものを貯蔵しておいて、湯で戻し、アザラシの油などで調理して食したそうです。なんとも北海道らしい植物の一つです。

(※スプリング・エフェメラル=春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす種のこと。)

アイヌネギは春の山菜の中でもとびきり美味しい山菜でこれを食べなければ夏を迎えられません。ネギとニンニクの間のような味で料理の幅も広く和食から洋食までなんでも相性が良いです！ただ崖に生えている事が多く、かなり体力を使うのが唯一ネックなところです笑

この日は Potter SmockのポケットとFirst Aid Bag がいっぱいになるほど採れました！斜面での作業は滑落防止で左手は木や笹を掴み、右手にネギを取るためのナイフを持っているので両手が塞がっていることもしばしば。そんな時大きなポケットや首から小さなバッグを下げておくとホイホイと山菜を入れられるのでとても便利です。例え汚れても丸洗いできてしまうのも良いところです。

ポケットの中のアイヌネギ。

めんつゆ・みりん・ごま油で醤油漬けを作ります。そのままご飯に乗っけて食べるも良し、冷奴、油揚げ、うどん、カツヲのタタキ、ジンギスカン、etc…アイヌネギがあればなんでも無限に食べられます笑  翌日は寝ていた部屋から体臭まで全てがアイヌネギ臭になりますがそれも春の風物詩ということにしておきましょう！

採れたてのアイヌネギをお気に入りのエプロンとフランス北部の陶器キュノワールに並べてご満悦な私です。その土地に根差したものをいかに自分らしく楽しめるか？というのが私の生活のテーマでありライフワークです！何が好きで何を選択していくかの延長に自分の人物像が見えてくるような気がしていて、それを知ることによってより心を解放できるような気がしています。ぜひMINGでも皆さんの生活の楽しみ方を話したり共有していきたいと思っています。MINGはそんな人たちの交流の場になったら良いなと思うのです。

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