COLUMN

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2024.02.19

北海道の暮らしに欠かせないモロッカンラグ

モロッコは大西洋と地中海に面した北アフリカの国。モロッコというと青い街などのカラフルな色彩のイメージも強いですが、モロッコの大半は砂漠。個人的に昔からなぜかモロッコのもの(特にベルベル民族のもの)に惹かれることが多くて、私自身いつかは訪れてみたい国のひとつです。かれこれ10年以上毎日身につけているシルバーのバングルもモロッコの民族のものだったり、モロッコのものだと知らずに手にした今でも大切にしているアクセサリーがいくつかあります。モロッコは、先住民のベルベル人が暮らしていた地域にイスラム人やアラブ人、フランス人、トルコ人、スペイン人などから様々なルーツを持つ人々が移動してきた歴史があるので、アフリカの素朴で力強い民族文化や、エキゾチックなイスラム文化、洗練されたヨーロッパ文化など様々な国の文化が混ざっているようです。この混ざり合ったモロッコ独自の文化に惹かれるものがあるのかもしれません。

 

モロッコの先住民ベルベル人は、山岳地帯に羊とともに暮らす遊牧民族。生活をするアトラス山脈の近くは、砂漠地帯ではあるものの標高が高いので、冬は寒く雪も降り積もるほどの過酷な地帯。ここでの寒い冬を乗り越えるために飼っている羊の毛を使ってラグを織り日々の生活で使っていました。これが今回ご紹介したい”モロッカンラグ”です。

まさに生活のために作り受け継がれてきた道具。モロッコで作られるこのラグはここ北海道の暮らしにはぴったりだと思っています。モダンなお家にモロッコのラグ、そんなインテリアとしての魅力ももちろん大いにあると思うのですが、私自身はこのラグの機能的な部分、道具としての魅力に惹かれて長年愛用しています。

写真からも分かる通り、みっちり目が詰まって毛足が長くてフワフワの手触り。モロッカンラグの中でも一番耳にするのが”ベニワレン”と呼ばれるラグなのですが、モロッコのラグは作られる地域や民族名がそのままラグの名称となっています。ベニワレンの他に、マルムーシャや、アジラル、タズナフト、ムーリルトなど様々な種類があります。

 

厳しい寒さの元で暮らす羊の毛は空気をたっぷり含みとてもふんわりとしていて、毛質がとても良いです。丁寧にぎゅっと目を詰めて織られているので、密度が高くてずっしりと肉厚で安定感もあります。掃除機をかけてもペラペラとめくれることのないずっしり感。ベニワレンのようにずっしり重いラグはそれだけたくさんの羊毛を使ってみっちり織っているということ。手触りがむっちりと密度の高いものや、毛足が長くてふんわりしたものなど1つ1つ手触りも厚さも違うので、模様の好みだけじゃなく”手触りの好み”というポイントもラグ選びの楽しいところですよ。
例えばアジラルというラグはベニワレンに比べてもう少しざっくりと織られていて、薄手で毛足も短めなのが特徴です。薄手のラグはサイズが大きくても軽いので、扱いやすさという点でも魅力かなと思います。

モロッカンラグといえばひし形や幾何学模様が特徴ですが、景色や動物をモチーフにしたような個性的なラグも素敵です。無染色のものが多い中、ナチュラルな羊毛を天然染料で染めたとてもきれいな色彩のラグもありますよ。全体的に整っているラグもあれば、なんとなくゆるい雰囲気のラグ、左右均一のもの、不均一のもの、どれも個性があってどれも魅力があるので、眺めているだけでも楽しくなります。

私たち自身モロッカンラグは今では生活になくてはならないものなので、なぜこのモロッカンラグが北海道にぴったりだと思うのか?と改めて考えると当たり前になりすぎて難しいけど、まずはとにかくふわふわで暖かいのが一番の魅力だと思っています。裸足で踏むのも心地よくて、我が家では冬だけでなく夏場も敷きっぱなし。
(実は愛犬ラブラドールがやってきてから約1年、我が家のベニワレンは一旦リビングから撤去中です。パピー期にベニワレンをガシガシするブームがやってきてから、このままだとボロボロになりそうでそそくさと一時避難。そろそろ1歳半になったので近々リビングに復活させようと思っています笑)

 

フローリングのお家の場合ほとんどのお宅で何かしらのラグを敷いていると思うのですが、ラグこそ何枚も何枚も買うものではないし、気に入ったものが必要数あれば十分。だからこそなんとなくこれでいいやというものを買うのにはとても抵抗があります。家具と同じくラグも毎日の生活の中でとっても大切ですよね。心から気に入ったものを大切に長く使う。丁寧に作られたものだからやっぱり丈夫ですし、ふわふわのラグの上で過ごす時間も嬉しいし、何より毎日必ず目にするものだから毎日ちょっと嬉しい気持ちになります。ふとした時に、このラグにしてよかったな〜とぼんやり思います。今だにそう思う瞬間があるので、自分自身相当気に入っているんだと思います。

“MOROCCAN RUG TOURS” by MING folk equipment

<Place①>
開催日:2月23日(祝金)〜2月27日(火)
時 間:12時〜18時
場 所:NOTHING by RITARU @nothing_ritaru
住 所:札幌市中央区北3条西26丁目3-8 2F
(※RITARU COFFEEさん隣のギャラリー)
(※お店の前に駐車スペース有り、他近隣にパーキング有り)

<Place②>
開催日:3月2日(土)〜3月3日(日)
時 間:11時〜19時(3日は18時まで)
場 所:Pastoral @pastoral_obo
住 所:帯広市西1条南4丁目14番地1
(※駐車スペース有り)

 

モロッコの様々な地域で作られるラグを一挙にご覧いただけるイベントを開催。会期中はモロッコのラグだけでなく、アフリカンスツールや、細かな刺し子が美しいインドのキルトなども豊富に並ぶイベントです。今回はツアーと題し、札幌のギャラリーNOTHINGさんで開催後、帯広のPastoralさんへと会場を移し、2週に渡り開催します!大小様々なモロッコラグが約30枚、アフリカンスツールやキルトも同様にたくさんの数が並びます。これほどの数が並ぶ機会はなかなか無いので、いつか欲しいな、一度見てみたいな、前から気になっていたという方にはもちろん、ぜひ一度皆様にご覧いただきたいです。

 

感覚で選ぶもよし、置きたい場所に合うサイズで選んでもよし、予算で選ぶもよし、きっとそれぞれ選ぶ基準があると思いますが、見た目にも手触りもあたたかい心地のするラグが、皆様の生活を少し豊かにすることを願っています!

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